2016年10月9日日曜日

イーハトーブ(花巻編)

先日、幸いなことに「いわて国体」を観戦に行くことができました。
その観戦の合間にではありますが、少しだけ観光をすることができました。
最初は、宮沢賢治の故郷である花巻です。
この時に持参したのは、キットレンズをつけたK-S2と、宮沢賢治の心象風景と少しマッチしないかと考えてのFA28mmsoftです。

前置きが長くなりますが、自分にとって「雨ニモマケズ」は今でも座右の銘であり、それほどたくさんの作品を知っているわけではありませんが、
宮沢賢治の生涯にもその作品にも、自分はたいへん惹かれています。
今回、初めて花巻を訪れることができることになったため、行きの電車の中では、宮沢賢治の学生時代から
病床にあった晩年までの生涯にわたって書かれた 宮沢賢治による主な手紙と詩、短歌を集めた本を読み、
ちょうど本を読み終えた頃に花巻に到着しました。

自分は学生時代に、画家のゴッホが好きで、「ゴッホの手紙」全3巻をよみ、若いゴッホがバイブルにその身を焼かれたように
自分も「ゴッホの手紙」に身を焼かれたように感じたことがあります。
今回宮沢賢治の手紙を読み、若き日の希望に満ちた熱情の日々から、(ゴッホの場合は「てんかんの発作」に悩まされた)
晩年の病床期まで、結構イメージが重なるところがありました。
(ゴッホにとってのパリ時代が宮沢賢治にとっての東京時代に、ゴッホにとってのアルル時代が宮沢賢治にとっての
花巻農学校~羅須地人協会時代にあたるでしょうか・・・。)
ゴッホはバイブルに身を焼かれましたが、宮沢賢治が法華経に身を焼かれたのも似ているように感じます。
但し、その作品については、ゴッホの作品がその生涯と密接に関係しているのに対し、宮沢賢治の場合、
その作品は生涯とはかけ離れていて、とても軽やかな夢のような心象風景が比較的に多かった点が、ずいぶん異なるように感じます。


前置きがかなり長くなりましたが、最初は新花巻駅前にあった「銀河鉄道」のモニュメントです。


次は、駅から宮沢賢治記念館に移動する途中で撮った釜石線の線路の風景です。
そののどかで爽やかな秋の風景に、本当に癒されるように感じました。

自分にとっては、始めて撮影した「ゆる鉄」写真のような気もします。


その後、汗だくになって階段をのぼり、宮沢賢治記念館近くに到着。
まずは、以前里人さんに紹介していただいた記念館前にある「注文の多い料理店」に入って食事をすることにしました。

次は「注文の多い料理店」(山猫軒)の写真です。



山猫軒では、すいとんセットをいただきました。
地元の食材を使ったすいとんも、味噌おにぎりもたいへんおいしかったです。


ちょっといっぷくした後、宮沢賢治記念館に入りました。


宮沢賢治記念館では、特別に新しい情報は得られませんでしたが、宮沢賢治の「体の奥から、どんどん満ちあふれるような」心象風景が、
原稿用紙上で、どんな風に書きつづられていたのかを、原稿用紙のコピーで知ることができたのが、
たいへん興味深かったです。

また小説「ポラーノの広場」の、宮沢賢治の花巻農学校教師時代に、演劇用に脚本化された原稿があって、
花巻農学校教師時代の学生達との楽しい思い出が想像されて、少し嬉しい気持ちになりました。

次は、宮沢賢治記念館を出て、記念館の横から花巻の街並みを見おろした風景です。


次は、記念館の敷地にあった「よだかの星」のモニュメントです。



「よだかの星」を涙なしに読めないのは、きっと自分だけではないはず・・・。

その後、記念館横の階段をおりて「宮沢賢治イーハトーブ館」の方に向かいました。


途中で、宮沢賢治の設計図をもとに再現製作された「南斜花壇」と「日時計花壇」の風景を撮影。



宮沢賢治が時々自分のトレードマークのように書いていたという「ふくろう」のモニュメントとシュウメイギクの写真です。



最後に「宮沢賢治イーハトーブ館」に入りました。


こちらでは、入館無料であるにもかかわらず中に大きな映画館があって、「今から『注文の多い料理店』の上映をしますので、
どうぞみていってください。」
といわれて『注文の多い料理店』のアニメを楽しむことができました。

最後は、上の写真にも写っていますが、宮沢賢治のシルエット像です。


このシルエットには、しびれてしまいました!!
そんな訳で、この日は宮沢賢治の世界をほんとうに満喫することができた1日でした。

「イーハトーブ」は盛岡編へと続きます・・・。

2 件のコメント:

  1. こんにちは!Still Lifeさんは岩手にいらしていたのですね!
    しかも宮沢賢治さんのファンでいらっしゃるとは嬉しいです!
    宮沢賢治とゴッホの生涯の類似性については素晴らしい洞察だと感じました。
    宮沢賢治の著書を精読されているStill Lifeさんには宮沢賢治記念館の展示は
    物足りなかったかもしれませんね。私は学生時代から何度も足を運んでますが
    最近の展示物は少し整理されてしまったようです。
    注文の多い料理店は原作を知っていると拍子抜けするくらい普通の食堂なのですが
    味の方はまずまずですね、
    盛岡編のアップも楽しみにしていますよ。

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    1. 里人さん、どうもこんばんわ!!
      息子が「いわて国体」に出場し、その応援のために、
      なんとか岩手を訪れることができ、その合間にではありますが、
      少しだけ観光もすることができました。
      そして、とうとう今回、宮沢賢治さんの故郷である花巻を
      訪れることができました。

      里人さんから、
      「宮沢賢治とゴッホの生涯の類似性については素晴らしい洞察だと感じました。」
      とのコメントをいただき、それほど間違っていなかったと少しほっとしています。
      今回の旅行から帰ってきてからは、宮沢賢治作品の解説本である、
      池澤夏樹著の「言葉の流星群」という本を、もう一度読み返しており、
      宮沢賢治さんの作品(特に詩)の、心象世界の奥深さに、
      改めて驚かされているこのごろです。
      (自分が、今回その心象風景に少しマッチしているかと、なんとなくソフトレンズを
       使いましたが、そんな小手先の手法を少し恥ずかしく感じています。)

      例えば、作品1074「青ぞらのはてのはて」、

      青ぞらのはてのはて
      水素さへあまりに稀薄な気圏の上に
      「わたくしは世界一切である
      世界は移らう青い夢の影である」
      などこのやうなことすらも
      あまりに重くて考へられぬ
      永久で透明な生物の群が棲む

      という、あまりにも透明で奥の深い広がりを持つ世界に
      改めて驚嘆しています。

      それはともかく、「山猫軒」の料理はとてもおいしかったですが、
      それよりも、以前里人さんにご紹介していただいた場所を
      訪れることができたことが、本当に感慨深かったです。

      また、引き続き「盛岡編」をまとめる予定ですので、
      あまり期待はされずに、楽しみにしていてください・・・(^_^)。

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