今年は、当初どうなるか全くわかりませんでしたが、直前に奇跡的に都合が良くなって、
先週、5年ぶりにCP+に行くことができました。
CP+が終わって1週間経ち、もうお祭りの興奮もさめた頃ですが、自分の体験したCP+2018を
撮影した写真や、自分のであったエピソードなどを紹介しながらアップしたいと思います。
今回持参したのは、DA16-85mmをつけたKPでした。
最初は展示会場の入り口です。
最初は、リコーイメージングブースで、ちょっとリラックスした気分で、K-1markⅡや、DFA50mmの展示品をみたり、
THETAを初めて触って、360°見渡せる世界を体感したりしました。
K-1markⅡの展示には、結構色々な他メーカーのカメラを持った方が来られていたのが少し印象的でした。
その後、SONYブースへ。
先日いつもの古本屋さんで、たまたま森山大道さんの「昼の学校、夜の学校」という本をみつけて、
読んだところで、それまで森山大道さんのことあまり知りませんでしたが、スナップ写真に少し興味を持ち、
スナップ写真の魅力について感じるものがあり、たまたまSONYブースのトークイベントで、
森山大道さんが話をされることを知って、その時間に行ってみました。
今回は、SONYが、たいへん小型で、1インチセンサーを搭載したRX0というカメラを出したので、
日本カメラで、森山大道さんにRX0を使って佐賀のスナップを撮ってもらうという企画をしたようで、
その時のルポのような内容でした。
RX0の実物も後で見ましたが、手のひらに収まる本当に小さなカメラです。
SONYって本当にユニークなカメラを出すなあと、いつもながら感心します。
次の写真は、森山大道さんと一緒にトークされた瀬戸正人さんがRX0で撮られた風景写真です。
こんな小さなカメラで撮ったとは信じられないほどの、迫力のある(森山さんの言葉を借りると)
日本の原風景のような圧倒的な風景写真でした。
「昼の学校、夜の学校」には、瀬戸さんも時々でてきて、瀬戸さんの話も聞けて良かったと思います。
次の写真は、 森山さんが撮られた夜の線路の写真です。
この写真は「日本カメラ」3月号の表紙にも使われているとのことでした。
自分も「日本カメラ」のRX0の記事を読んでみたいと思っていますが、ご興味がある方はどうぞ・・・。
森山大道さんのトークを聞いて感じたのはやはりスナップ写真の魅力でした。
例えば街角で感じるものがあったときに、素早くさりげなく写し撮ることで、瞬間的に撮らえられる感動とか、
(もちろん感動に限らず、何を感じるかは人それぞれで、写真のなかに「生や死」を感じられない写真には
あまり魅力が感じられないと、森山さんは書かれていますが)
フレームにとらわれない(逆に言えばフレームの外を感じさせるような)フレーミングに興味を持ちました。
一般的には「引き算」と言われて、普段は余計なものを入れないことばかり考えているので、
そうでない写真を撮ってみたいとも思います。
あと「昼の学校、夜の学校」を読んでいると、森山さんのメインカメラは、ほとんどがリコーの「GR21」だったようで、
リコーイメージングも「GR21」の血をひく「GRⅢ」を出すのであれば(森山さんには限りませんが)
ぜひ森山さんのようなスナップ写真家に使ってもらって、そのレポートをCP+のトークイベントなどで
やってほしいと願います。
もっといえば、スナップ写真家に限らず、リコーの公式ブログGRistでインタビューされていた
写真家にさえ限らない色々な方にトークしてもらえればいいなあとも思います。
その後ブラブラしながら、ただお祭りのような雰囲気を楽しんでいました。
カメラメーカーのブースを中心に、なんとなく様子を見ながら、特にトークイベントの様子を
外からなんとなくみて楽しんだりしました。
トークイベントで紹介されている写真をみていると、やはりそのメーカーのカメラを使っている写真家は、
そのメーカーらしい写真がおおいなあと、(偏見かも知れませんが)なんとなく感じます。
FIJIFILMブースの様子。
NIKONブースの様子。
CANONブースの様子。
OLYMPUSブースの様子。
タッチアンドトライのコーナーは、結局リコ-イメージングブースで、K-1markⅡの高感度耐性と
THETAを体感したくらいですが、ちょうどCANONブースで、発表されたばかりのEOS Kiss Mを
みつけたので少し体感してみました。
誰もが気軽に綺麗に上手く撮れるミラーレスとして、EVFもついているし、AFも便利で、連射も速く、
よくできたカメラだなあと感心しました。
ただそれよりも、CANONブースでEOS Kiss Mの紙袋をもらいましたが、その中に入っていたクリアフォルダに
書かれていた言葉が印象深くて、少し紹介したいと思います。
"This” is my life.
それは、私の人生そのもの。
(中略)
カメラを持つことから生まれる様々なことや、写真として撮られるあらゆること、
それこそが、まさに人生そのものだと思う。
あなたの愛する人、愛する場所、愛するモノ、愛する時間、そして愛する日々。
あなたの人生を撮れるのはあなたしかいない。
毎日が輝いて見える、人生を楽しむためのカメラを。
この言葉は、まさにかつてのPENTAXユーザーのために書かれたような言葉のように思われて
自分にはとても懐かしく感じられました。
実際には、本当に写真が好きで、自分の愛機を持っている方にとっては、どのようなメーカーであっても
そんな風に感じられるのでしょうね。
各ブースでは、どんなメーカーが、どんな風に展示しているかを、なんとなくブラブラ様子を見ただけでしたが、
自分にはOLYMPUSブースが印象的で、OLYPUSブースの様子を少し紹介いたします。
OLYMPUSには、女子カメラ部というのがあるらしくて、女子カメラ部の写真が展示されていたり、
女子カメラ部のフォトコンテストの発表会などをしていました。
リコーイメージングの場合、今のラインアップでは(Qに勢いがなく)女子にターゲットを絞るのは
どうかと思いますが、こういったユーザーフレンドリーな企画は、かつてのリコーイメージングの
よい持ち味だったように思うので、またやってくれたらいいのにとも思います。
QもPENのようなコンセプトで、開発・発展させられれば良かったのにと今でこそ思いますが、
今となっては少し残念に感じます。
また、事前に知っていた、実際に動作するというとても個性的なカスタムカメラをみて写真に収めました。
こういうカメラにはやはり心が惹かれますし、OLYMPUSらしい遊び心だなあとも思います。
ちょうどこの写真を撮っていたら、OLYMPUSブースの展示員の方から「PENTAXいいですよね。」と
声をかけられました。
OLYMPUSのこういった、とても自由な気風にも少し驚きながらも惹かれましたし、
本当に写真が好きな方は(もちろん色々な短所を持っていますし、生真面目すぎると感じますが)
PENTAXの良いところを、ちゃんと評価してくれているのだなあと、とても嬉しく感じました。
あと、ブラブラしているときに、コンパニオンのお姉さんを時々見かけましたが、
今年も自分は、少し恥ずかしくて写真を撮ることができませんでしたが、たまたまHAKUBAのブース前で、
PENTAXのカメラを持ったお姉さんがいたので、嬉しくなって1枚撮影させていただきました。
あとで持っているカメラを調べたら、K-S1の限定カラーのようでした。
その後、「御苗場写真展」会場のある大さん橋ホールに、お昼のおにぎりをほおばりながら、シャトルバスで
移動しました。
今回も、本職の写真家を目指している写真家の卵の写真を見るのがとても楽しみでした。
場所が離れて不便になったなあと事前に感じていましたが、大さん橋ホールはとても見晴らしの良い場所で、
結果として、とても気持ちよく「御苗場写真展」を楽しむことができました。
大さん橋ホールの入り口付近。
入り口から会場に移動する途中で、なんとなく森山大道さんのスナップを少し意識しながら撮影。
写真展会場の雰囲気。
写真家を目指している卵たちの野心的な写真をとても楽しみにしていましたが、
(自分のような何の野心もないヘボが書くのは、本当に気が引けますが・・・)
前回(5年前)と比較して、たいへん野心に満ちた写真は少し少なかったように感じました。
そんな中で、自分の印象に残った写真の展示エリアを撮ったので、特に説明なくアップいたします。
最後の「かずP~」さんの写真を撮っていたら、「かずP~」さんご本人から声をかけていただきました。
「自分の写真のどんなところに惹かれましたか?」と聞かれて、その時には、残念ながらうまく言葉にできませんでしたが、
少し世間話などしてから、別れ際に「頑張ってくださいね。」といったら、とても素敵な笑顔で、
「ありがとうございます。」と答えてくれました。
写真展の話ではありませんが、会場でたまたまRICHOFLEXの2眼レフカメラを見つけて、
つい写真を撮ってしまいました。
2眼レフカメラには、やはり独特な威厳を感じますが、この写真を撮って、DA16-85mmのボケが綺麗で驚きました。
話はそれますが、このレンズはやはりかなり使えそうなズームです。
その後展示会場から外に出ました。
とても天気が良く、大さん橋ホールから眺めた「みなとみらい」方面の風景が、とても気持ちよく感じられました。
その後、またパシフィコ横浜へ移動しました。
パシフィコ横浜の会場では、今年も中井精也さんのトークが聞けたらと、ニコンブースに足を運びました。
しかし、あまりの人だかりで、たくさんのはみ出した人の外から話を聞くのは、他の人の邪魔になりそうで、
結局、お隣のPanasonicブースでハービー・山口さんのお話を聞くことにしました。
ハービー・山口さんのことは、モノクロでポートレートを撮る写真家といったくらいの知識しかありませんでしたが、
ハービー・山口さんのお話は、本当に楽しくて、またそのお写真は、とてもストレートに
自分の心に響いてくるものがあり、結果としてハービー・山口さんのお話を聞けて本当に良かったと思います。
ハービー・山口さんのお話からは、写真を撮る人も、写真に撮られる人も幸せになれるヒントを
ちょっとだけ教えていただけたように感じたのが、ほんとうに良かったと思います。
もちろん、これはハービー・山口さんの人柄によるところが大きいとも思うのですが。
また、 Panasonicブースでのトークでしたので、なんというレンズかうまく聞き取れませんでしたが、
Lumixなので多分LEICAのレンズだと思いますが、山口さんがポートレートの撮影に使っているレンズについて、
本当に秀逸なレンズだという話が、何回も出てきました。
またリコーイメージングの話になりますが、GRのレンズについてはプロにも定評があるようですが、
今後PENTAXのレンズは、どんな形でアピールできるだろかといったことを考えてしまいました。
LumixにはLEICAのレンズがあり、SONYにはCarl Zeissのレンズがあり、NIKON・CANONには
それぞれのブランドのレンズに圧倒的な存在感を感じますが、
PENTAXのレンズの場合、もちろん(特にFA)Limitedレンズに、アマチュアを中心にとても個性的なレンズとして、
定評があるのは周知の事実ですが、今後はDA☆・DFA☆レンズが、そういった存在感を感じさせるレンズに
育っていけるかが鍵のような気もします。
ここで、各社が展示していたレンズ群の写真を少し紹介したいと思います。
SONYのレンズ・カメラ群。
NIKONのレンズ・カメラ群。やはり圧倒的な存在感です。
PENTAXのレンズ・カメラ群。
数は少ないように思われますが、自分には、バランスが良く、ちょっと小粒で(特にLimitedで)
個性の光るよいレンズ群だと感じているのですが・・・。
レンズの話を書きましたが、その後、リコーイメージングブースで「PENTAX K-1 MarkⅡの魅力と新レンズ群への期待」
という話を聞きました。
PENTAX K-1 MarkⅡの話については、やはり高感度耐性の話と手持ちリアル・レゾリューションの話が
メインでした。
高感度耐性をアップするには、基板交換によるアクセラレータユニットの追加が必要ですが、
手持ちリアル・レゾリューションについては(詳しく触れていませんでしたが)多分ファームウェアアップで
対応できそうです。
自分は、手持ちリアル・レゾリューションの方に興味があるので、ファームウェアアップで対応してくれれば、
本機のバージョンアップをしなくてもよいのですが、ただ、今後のファームウェアアップサービスを
受ける上で、やはり最新のハードにしておいた方が何かと安心できるなあと感じています。
あと「新レンズ群への期待」については、DA☆・DFA☆レンズを開発するにあたって、社内規格的に
合格ラインをかなり引き上げたといった話を聞きました。
谷口さんのお写真からは、残念ながらあまりそれを感じられませんでしたが、「PENTAX RICHO FAMILY CLUB」の
季刊紙に掲載されていた田中希美男さんのお写真からは、十分にそれを期待させる描写だと感じていて、
(自分はそこまでの描写を求めないと思いますが)先に書いた、今後のPENTAXレンズの存在感のアップに
つながってくれればいいなあと切に願っています。
その後、最後にOLYMPUSブースに移動して、注目の若きフォトジャーナリスト安田菜津紀さんの
お話を聞きました。
前半は、東北のある酪農農家さんのお話でしたが、その酪農農家さんの環境は本当に素晴らしくて、
アニマルライツセンターの方が書かれている色々な記事で、日本の畜産業の飼育環境は世界最低水準にあることを
よく目にしますので、そういったことを考えると、本当に奇跡のような酪農農家さんだと感じました。
この中洞牧場さんについては、下記サイトで(この時の紹介された一部の写真とともに)紹介されているので、
ご興味がある方はどうぞ。
「山地酪農」「アニマル・ウェルフェア」
また、もうすぐ発売される「しあわせの牛乳」という本でも、中洞牧場さんのことが、今回の写真と共に
紹介されていると思われるので、自分は購入しようかなあと考えています。
しあわせの牛乳
安田菜津紀さんの写真に関して言えば、安田さんの場合、例えば戦地であったり、
被災地であったり、難民キャンプであったり、貧民地域といった場所を訪れる中で、その場の生々しい様子を
「是非みんなとシェアしたい。」といったところが原点のようですので、そんな写真が多いように思われます。
とても「荒廃した地域」の様子とは対照的な、そんな場所で見られる「希望」が本当に的確に撮らえられており、
よく「撮られた方の心まで写っている」と表現されているようですが、中洞牧場さんの牛の様子にも
そんなことが感じれました。
中井精也さんは、良い写真とは「撮り手の思いが伝わる写真です。」と言い切っておられますが、
安田さんの写真にも、確かにそんな思いが伝わってくるなあと思いながらお話を聞きました。
そして後半は、予想通りというか、予定通りというか「東日本大震災」に関するお話でした。
ちょうど今日「東日本大震災」から7年目を迎えました。
安田さんのお話では、津波被害に遭われた方の中には、どんどん避難所が減っていく中で、
今でも避難所から避難所に引っ越しをされている方がいるといった実情のお話とかを聞きました。
今日もテレビで、福島の帰宅困難地域では、解除指示が出されると、それまでは避難所生活者の数として
カウントされていたのに、これからは自主避難の扱いになるので、避難所生活者としてはカウントされなくなり、
世間的に発表される避難所生活者の数は、統計的にはどんどん減っていくという話を聞きました。
自然災害に多く遭うことは日本人の宿命なので、こういった話を自分の身に起こり得ることとして
しっかり受けとめたいと思います。
自分は「東日本大震災」によって、自分の価値観が180°かわりましたが、「東日本大震災」から7年が経過した今、
改めて、自分を戒めたいとも思います。
最後に安田さんの「東日本大震災」のお話を聞いて、予定通り「しっかりと今の現実に向き合う」気持ちに戻り、
CP+2018に参加できたことを、夢のように感じながら会場を後にしました。
ここで話は大きくかわりますが、今回横浜を訪れた目的は、実は大きく2つありました。
ひとつは「CP+2018」への参加でしたが、もう一つは、最近横浜で自立して一人暮らしを始めた
息子(長男)の様子を見に行くことでした。
息子が自立して一人暮らしをすることを、ずいぶん心配していましたが、今の仕事の様子や
家事(時々は、自分で自分の弁当を作って職場に持って行く)といった話を聞いて、少し安心しました。
息子は東横線の白楽の近くに住んでいますが、(アパートは古いですが)とてもよい場所で暮らしており、
自分も若い頃には、ここの近く(日吉)で一人暮らしをしていたことがあるので、若い頃のことを懐かしく
思い出したりもしました。
次は、翌朝の帰宅途中に撮影した白楽駅前商店街の写真です。
この後、東横線にのって、菊名で横浜線に乗り換えるためにホームで電車を待っていたら、
「そういえば、独身時代は、自分の帰りを待ちわびる母の元に帰省する際、いつもここで電車を待っていたなあ。」
と昔のことを思い出し、つい先日亡くなったばかりの母のことを思いながら、少し目頭が熱くなってしまいました。
ずいぶん長い話となってしまいましたが、最後に昔を少し懐かしみながら、20年以上前に撮影した
息子(夏樹)の写真をアップして終わりにしたいと思います。
撮影に用いたのは、今は共に使っていない、PENTAXのFA100-300mmをつけたZ-1です。
最後に話はCP+と大きく離れてしまい、たいへん恐縮ですが、この息子が本当に大きくなったなあと、
しみじみと感慨深く感じます。