K-3を購入後、K-3メイン、K-5サブとなってしまい、K-7の出番がなくなってしまいました。
そんなK-7を生かしたい気持ちと、昔から持っていた「M42マウントレンズを使用してみたい」という願望から、
初めてM42マウントレンズを購入しました。
( M42マウントレンズ沼は、かなり深くて広いと聞いていたため、ずっと手を出さずに来たのですが・・・)
50mm程度の標準レンズを考えてはいましたが、どのレンズを買うかで迷ってしまい、色々調べたところ、
旧東ドイツ製のPENTACON Auto 50mm F1.8あたりが、廉価で、性能も品質もよく、広く出回っているとのことであり、
最初こちらを購入しようかと考えました。しかし M42マウントレンズの市場状況を色々調べたところ、
どうも2004年頃からM42マウントレンズのちょっとしたブームが始まったようで、2008年頃をピークに、
今は品薄状態で、どのレンズも値段が高止まりしているようだとわかりました。
そんな状況の中、PENTACON Auto 50mm F1.8は、ちょっとしたブーム時の3倍くらいの価格で販売されていることがわかりました。
そういう状況では、どうも購入する気になれず、それならば、もう少し値段が高くても、もう少し良いものをという考えにかわり、
最終的に、カールツァイスがウルトロンを発売後、カールツァイスに吸収されたフォクトレンダーのブランドで発売され、
現在の価格は、 カールツァイズブランドのウルトロンの半額程度ながら、写りはウルトロンにも匹敵するとの記載をみつけた、
フォクトレンダーブランドのシンガポール製カラーウルトロン50mm F1.8を購入しました。
最初は、K-3+DA35mm macroで撮影した、K-7にカラーウルトロンを装着した写真です。
このK-7+カラーウルトロンの組み合わせで、早速試写をしてきましたので、以下その試写結果をアップしたいと思います。
試写は、自然、(街の)風景、室内の物撮りで行なうことにしました。
この日は曇り空でしたので、そういう前提でご覧いただければと思います。
最初は、近くの公園で撮った、落ち葉と、庭園の小さな滝の写真です。いずれも絞り開放での撮影です。
悪くはありませんが、少しいまいちな絵作りという印象を受けました。
滝の写真は、もう少し絞って撮った方がよかったとあとで反省しましたが・・・。
(そういえば、この時は、前ボケを入れてみたい意図があった気がします)
その後ブラブラと街中にでかけて、スナップを撮影しました。
最初は、街路に飾られていた花(ベゴニア)です。
次は、美容院の入り口に飾られていた猫と鳥のオブジェです。
花よりは、こういったオブジェのほうが、好みの絵を出してくれるという印象を受けました。
(ただし、花の写真は逆光のため、画面全体にレンズ鏡筒内部反射の影響が出ているでしょうか?)
次は、最初駐車場かとおもいきや専門学校の入り口だった場所を、F8.0くらいまで絞って撮った写真と、これまた店頭の紫陽花の写真です。
絞って撮影した建物の写真は、シャープでありながら固すぎず、比較的好みの絵を出してくれると感じました。
またこれらの写真からは、PENTAXレンズよりはリケノン55mmF1.2と似た印象を持ちました。
次に室内での物撮りを行なおうと、街に出かけると時々訪れる写真集専門店「BOOKS AND PRINTS」を訪れることにしました。
「BOOKS AND PRINTS」の店頭写真も、F5.6程度での撮影ですが、なかなか好印象です。
「BOOKS AND PRINTS」では、最近コーヒー提供サービスを始めたとのことで、写真撮影させてもらうのだけだと申し訳なくて、
コーヒーを一杯(250円)頼んで、店内の撮影許可を得て、撮影させていただきました。
(以下の写真は、(高感度撮影が弱いK-7ということもあり)すべて絞り開放での撮影です。)
最初は、そのコーヒーの紙容器を、順光と逆光で撮らえた写真です。
最短撮影距離近くでの物撮りは、そのものの質感がよく出ていて、またその時の背景のボケ味も美しく、
個人的にはとても好印象で、少し惚れ惚れとした写りをしてくれたと思います。
その他、色々店内を撮らせていただきました。
室内撮影での、ものの質感と背景の柔らかなボケ味は、自分的にはやはり素晴らしいです。
ここで、写真撮影とは直接関係ありませんが、自分が学生時代に敬愛していた作家、福永武彦さんの本を見つけました。
次の本、「死の島」も福永武彦さんの傑作のひとつだと思います。
社会人になってからは、福永武彦さんの本はあまり読まなくなってしまい、かわりに福永武彦さんのご長男である作家、
池澤夏樹さんの本ばかり読むようになりました。
話はずっと脱線しますが、自分のハンドルネーム「Still Life」は、池澤夏樹さんの芥川賞受賞作品の名前から使用させていただいているものです。
また、自分の長男は、池澤夏樹さんの名前にあやかって「夏樹」と名づけてしまいました。
(卓球が得意なのは次男で、その兄にあたります・・・)
自分の書棚には、100冊近くの池澤夏樹さんの本が、(福永武彦さんの本と一緒に)収まっています。
他にも、西加奈子さんの本を改めてみつけて、最近小説を全然読んでいないので、また西加奈子さんの小説が読みたくなってしまいました。
話が脱線してしまいましたが、最後にアップする次の写真は、店内の窓辺にある書棚の写真を、逆光で撮影したものです。
ダイナミックレンジの狭いK-7だからこそ、少し印象的な雰囲気で撮れたのではないかと思います。
最後にK-7+カラーウルトロンについて、少し自分の印象をまとめたいと思います。
カラーウルトロンの描写は、リケノン55mmF1.2のように、全体として精緻で自分好みの描写をしてくれるレンズであると思いました。
また、室内でのものの質感描写が(シンガポール製ですが)ドイツレンズらしい素晴らしさで、そんな場面を中心に使ってみたいと思っています。
ただ、快晴下での花の写真などにも、いちど使って試してみたいとも思います。
またK-7については、その受光素子はK20Dと同じもの(サムソン製)が使用されています。
デジタルカメラになってからは、照射角によって感度が変化しないフィルムではなく、照射角によって感度が変化する受光素子のため、
デジタル用のレンズはテレセントリックな光学系で設計されていると聞いていますが、
PENTAXからK20Dが発売されたときには、その受光素子が、(その個々の素子前についているレンズの効果でだったか?)
照射角によって感度が変化しにくい構造のため、テレセントリックな光学系でなくても、よい描写が得られるというのが
売り文句のひとつだったようです。
そういった意味では、オールドレンズにはぴったりのカメラかもしれません。
但し、K-7のローパスフィルターの厚みは、K20Dの2倍ほどあるらしく、その影響など詳しいことはよくわかりません。
(そういえば、昨日のデジカメウォッチには、フルサイズα7Sが、フルサイズであるにもかかわらず、約1,220万画素であり、
その結果、画素ピッチが大きくなっているため、特に広角オールドレンズに最適でかもしれないという記事が出ていました。
実際の画像でも、α7との比較画像で、確かにマゼンダかぶりが解消されているのですが、その理由は
よくわかりませんでした。光の波長に依存した反射率と素子(ガラス?)の材質の関係からくる話でしょうか?)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20140718_658298.html
ただ、さすがにローパスレスであるK-3のような(最初の2枚の写真のような)解像感は、得られにくいようですが、
K-7+カラーウルトロンだからこそ、得られる描写を考えて、写す場面を今後検討したいと思います。
いずれにせよ、その操作感がとてもマニュアルっぽくて、その昔Z-1を愛用しながら、リコーのXR-8も、どうしても使いたくなった頃の
写真を撮影する感覚そのものを楽しむ感覚が、K-7+カラーウルトロンで得られるような気がして、
そういった意味を含めての楽しみが大いに増えた気がします・・・(^_^)。